北軽井沢 6月の物語 |
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乙羽伝説1昔々、佐渡島は金北山の麓に長福寺と云う寺がありました。そして、この寺の門前に小さな赤ん坊(女の子)が捨てられていました。捨て子は乙羽(おとわ)と名づけられました。乙羽は、和尚の男手一つで育てられました。和尚の名は良寛と言いました。そして十一年の歳月がたちました。乙羽は和尚の愛情を一身に受け、とても幸せに育っていました。しかし、おんな乙羽も、淋しい思いに涙する事がありました。乙羽には父も母もいなかったのですから・・・。ある晩の事です、和尚は淋しさのため眠れぬ乙羽にしんみりと寝物語をしました。「昔々、旅人が道に倒れていた。そこに鹿と猿と兎が通りかかった。鹿は旅人に水を与え、猿は旅人に焚き火を作ってあげた。けれど兎は旅人に何もしてやれなかった。 兎は旅人にこう言った。私には猿や猿のように何も貴方様にしてあげられません。私に出来る事は、この身を差し上げる事ぐらいです。どうか私を召し上がって下さい。 そう言って兎は焚き火の中に飛び込み我が身を旅人に差し出した」 乙羽は和尚の話に涙を流しました。 「乙羽、泣いているのか?」 「だって、兎さんが可愛そうです」 「輪廻転生。全ての生き物は何度も生まれ変る。この兎は後に人に生れ変り、お釈迦様となった。善い行ないをすればそれだけ幸せに生まれ変る。しかし、悪い行ないをすれば、餓鬼や畜生に生まれ変り、この世の業を受けて苦しむ事になる」 「じゃあ乙羽も善い事をすれば、今度生まれ変る時幸せになれますか?」 「ああ」 「捨て子などに生れずにすみますか?」 「あ、ああ・・・」 「和尚様、乙羽はできるだけ善い事を致します。すれば、今度生まれ変る時にはきっと、とと様とかか様と幸せに暮せますね」 「暮せるとも」 |
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