北軽井沢 6月の物語

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北軽井沢 6月の物語
01.2つの伝説
02.乙羽伝説1
03.乙羽伝説2
04.乙羽伝説3
05.乙羽伝説4
06.罪と罰
07.
08.
09.
10.
11.
12.
13.
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北軽井沢 6月の物語


 ある日の事です。乙羽がいつものように村に手伝いに行きますと、村の者は、畑の隅でうな垂れていました。
「お早ようございます」
「・・・」
「お手伝いに参りました」
「・・・」
「どうしたのですか?」
「どうしたもこうしたもねえ。畑がすっかり干乾びちまって。このままじゃ俺ら百姓は飢死だ・・・」
「そんな、気を取り直して下さいまし。私に出来る事なら何でも致しますから。さ、何なりと言って下さい」
「有難うよ」
「草を取りましょうか?」
「いいんだよ」
「でも・・・」
「幾ら草をむしった所で雨が降らねば同じ事だ。俺は首をくくるしかねえ」
「そんな・・・」

 乙羽は仕方なく山仕事を手伝いに行きました。そして沢山の薪を拾いました。でも乙羽は薪を拾っている間中、村人の事が気になって仕方がありませんでした。
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