北軽井沢 6月の物語 |
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罰「バア様」「うん?」 「村が全滅するって本当ですか?」 「このまま雨が降らねばな」 「雨は降りましょうか?」 「(元気なく)さあ・・・」 「乙羽は、どうしたらいいのでしょう」 「・・・」 「乙羽に出来る事があればいいのですが」 村の年寄り衆たちは乙羽の問に何も答える事が出来ませんでした。 「あ、そっちへ行ってはいかん!」 「え?」 乙羽は、「この先、女人禁制」の看板のある所に入ろうとしていました。 「そこから先は竜神様の土地、儂ら女衆は行ってはならんのじゃ。行けば竜神様に祟られる」 「それは本当ですか?」 「昔、掟を破った女がおったが、村はたちまち嵐となった。竜神様はたいそう御怒りになってのう、掟を破った女をひとみごくうに差し出すまで許してくれんかった」 「・・・」 「これ、乙羽!」 乙羽は何を思ったのでしょう! 突然、年寄り衆の忠告を無視して、どんどん禁断の地に入って行ったのです。 年寄り衆は乙羽を呼びました。 「乙羽、戻ってこんか!」 「竜神様が御怒りになれば村に雨が降ります」 「馬鹿を言うでない、お前、自分がどうなるか知ってるのか?」 「でも、村が助かります」 さっきまで晴れていた青空は、その時すでに怪しい雲行になっていました。 「今なら遅くはない。たのむから戻ってきてくれ!」 しかし、乙羽は、 「和尚様に宜しく言っといてください。乙羽は生れ変りますと!」 と言って、禁断の地へ消えて行きました。 「乙羽!」 年寄り衆たちは皆、泣き叫びました。その涙とともに雨が降りそそぎ、雷鳴が響きました。あたり一面はたちまち嵐となってしまいました。乙羽は竜神様に向って叫びました。 「竜神様、竜神様、御怒り下さい、私を罰して下さい。竜神様!」 乙羽はそれっきり帰って来ませんでした。 |
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